オタク趣味その1、ジャニーズの追っかけ

おはようございます、こんにちは、こんばんは。

 

辞めたいと思ったオタク趣味のひとつ目はジャニーズの追っかけである。

 

ひとえに追っかけと言っても色々な種類がある。

1、彼らがいる場所に神出鬼没に現れ逐一引っ付いているサイコなストーカー型。

2、彼らの出るコンサートや舞台などを全日見に行くような熱狂型。

3、彼らの出るコンサートや舞台などが開催される度に1度は行っておく現場参加型。

4、コンサートなどに行くのは抑えて、最新のCDや雑誌はそこそこ集める在宅型。

5、CDや雑誌は買わずともTVなどの露出をちまちまと見ているゆるオタ型。

などなど、もっと細分化されることもあるだろうが、大まかに言うと私はこのうち3に当てはまる。

つまり、コンサートや舞台を観て、CDや雑誌を買い、彼らが出ているTVはほぼチェックしているようなベッタリなオタクなのだ。

 

これだけ読んでもいまひとつ熱量が伝わらないので、私が「ジャニオタ」たるものになった経緯を説明しよう。

 

始まりは妹が見ていたとある歌番組である。

「君を思い出さない そんな夜はいらない」と歌われた曲と共に見せられた、他のメンバーより少し下にある黄色い頭と、大きく開けた口からこれでもかと覗くほんの少し並びの悪い歯。安田章大との出会いである。

黄色い頭の彼はとにかく笑顔がかわいかった。

眩しいくらいの笑顔はTVにとどまらないのは当然だ。妹が他のグループを目当てに買ったアイドル誌に載っていた彼は、紙面いっぱいにかわいい笑顔と奇抜なファッションを見せ付けるのだ。その異端さも彼の魅力のひとつだった。

 

しかし、この時点ではまだオタクとは程遠かった。

ただ単に彼の存在を知っているだけ、「あのグループには彼のような人がいる」という認識だけが私の中にあった。

続いてジャニーズのタレントに興味を示したのはそれから半年ほど後である。

 

当時非常に反響が大きかったドラマがある。内容としては同棲相手の彼氏からのDVが原因で逃げた主人公が、主人公を好きな友人たちの住むシェアハウスに住む話である。

私が目に付けたのが、まさにそのDV男であった。

彼がカメラの前でここまで狂気を見せ、主人公の彼女への愛、愛ゆえの暴走、暴力、そして死を迎える悲しさまでをよくぞやってくれた、と。

ひょっとして私が報われない系の話を好きなのはここからきているのかもしれない。

 

そんな「俳優・錦戸亮」の姿勢に惹かれたも、まだこの時点でも「あのグループとあのグループを兼任している人がいる」という認識だけであり、「ジャニオタ」とは程遠かった。

しかしそこからさらに半年後、私の中でビビッと来てしまったものがあった。

 

それは、タモリが司会をしている某音楽番組でのことである。

「みんながみんな不安を抱えて俯いてるぜ」なんて歌いながら、その不安を吹き飛ばすほどコミカルに歌って踊ってワチャワチャとはしゃぐ彼ら。そして私は見てしまう。

村上信五大倉忠義の尻を揉むところを。それを嫌がる大倉忠義を。

私は何を隠そう腐女子であり、そういうことには一際敏感であった。私は私の中の暴虐邪知を抑えるためにタレントのそういう話はこれ以上しないでおく。

そう、大きな体でやたらセクシーな顔をする彼に惹かれてしまったのだ。

それからほぼ同時期でやっていた、少女マンガ家であるヤンキーの兄に振り回される妹のコメディドラマを続けて視聴してしまうともうドボンと彼にハマってしまうのであった。

 

それからというものの、私はパソコンを持っている友達の家に足しげく通い、狂ったように彼らのMVをYouTubeで見て、彼らの仲良しぶりを確かめるために色々検索したりした。

携帯電話を手に入れたときは、即、ジャニーズwebに月額会員で登録したものである。

 

そんなこんなで、私は関ジャニ∞というグループが好きだ。好きであること、彼らのありかたに誇りを持っている。

会場を埋められなかった過去を乗り越え、低迷期をしぶとく生き、ベクトルの違いに喧嘩したりして、今の笑えて歌えて踊れて楽器もできる彼らが存在しているのである。それらを見てきたことにも誇りがある。彼と同時に私も成長してきた。

 

かれこれ、彼らを愛しはじめてから来年で10年になる。これからも好きは膨らんでいくのだろう。これ以上抱えきれない気持ちを、余計に抱えられなくしてくれるのが彼らである。

無理もないだろう、小さな身体で美声を響かせ己を貫く奴、人のために笑いを生み出し内に秘めた繊細さを持つ奴、感情を真っ直ぐ言葉にしてくれるどこか愁いを抱えた奴、太陽のような笑顔を持ち海のようにすべてを受け止める奴、笑い声で周りを癒して誰よりも客観的に自分をプロデュースする奴、ひとつひとつの関りを大切にしているこその振る舞いと場をまとめる力のある奴、グループを客観的にプロデュースすることを怠らないライトの中で白く光り輝く奴、そんな奴らが一緒になって心で心にぶつかってくるのである。

こんなにも、こんなにも彼らを愛しているのにオタクを辞めようと思ったことに疑問さえ感じるのだが。

 

しかし、私はやめるのだ。彼らを愛していた過去を誇りにして。

そこまでして手に入れるものが何なのかはわからない。

彼らを好きなままでも手に入れられるものはあるのだろうけど、それだけじゃいられなくなってしまったのだ。